2023年2月13日月曜日

椿油しぼり 講師 兀下龍夫氏

 2023年2月12日(日)

椿は「木偏」に「春」と書いて迎春の花。邪気や災いを払う木とも言われる。実から採取される量はわずかで貴重なものである。

万葉の時代から親しまれてきた「椿油」は頭皮や髪の保護、顔や肌の手入れ、酸化しにくい油なので包丁や大工道具など刃もの類の錆止めに使われてきた。食用としても使われるが大変高価である。

油絞り体験の前にいつも様々な油に関する話を聞く。今日は油絞り機の話を聞く。

平安時代以降大山崎で考案された長き木による搾り油法の伝播によって圧倒的な数量が生産されるようになる。原材料はそのころ広まりつつあった荏胡麻で、食用としての歴史も古く、灯明用としても宮中へ献上されていた。

石で火つける体験も実施。終了後にこにこパークの手入れ、カキの木の剪定等実施。

毎年ツバキ油絞りを実施しながら昔の人の知恵や技術を学んだり感心した。また搾りたてをなめてみると香ばしい香りがし、天ぷらを揚げると何故か軽くあっさりと感じた。自然のもののおいしさを実感した。高価な油なのでツバキ油であげた天ぷらを食べる機会はないだろう。貴重な体験だった。今日が最終回のツバキ油搾りとなった。兀下さんありがとうございました。

                     

    ナタネを天日で乾燥する。よく干すほど油の出かたがよい。
    菜種を鍋で炒る。炒った菜種をカラウスで粉にする。
粉になった菜種をふるいにかけ、ふるい残りはさらにからうすで粉にする。

             粉にした菜種を袋に入れ搾る。
         立木にさおを通し、クサビを入れて槌で打つ。
      左右から交互にカーンカーンと打つとさおが下がって油がでる。

                    
      日本の五大食用油の種 胡麻 菜種 荏胡麻(エゴマ) 榧(カヤ) 椿
    カヤの実の油絞りも体験しましたが、オレンジ色のきれいな油が搾れました。
 猪名川の源流大野山辺りにはカヤの木がたくさんあり、道路にたくさん落ちていました。

      ひとくらクラブでは秋頃からあちこちでツバキの実を拾って集める。
           当日 ツバキの実の硬い殻を割り中身を取り出す。
            未熟な実やカビの生えた実は取り出し、
              ミキサーにかけて細かくする。
細かくなったツバキの実
       昔も粉にした菜種をセイロに入れて蒸し、蒸した菜種を袋に入れて搾る
                     
         

ひとくらクラブではミキサーにかけ細かくしたツバキの実を和紙の袋に入れて蒸す。

           蒸し上がるまでの間に石で火をおこす体験。

石と金属を打って出た火花を炭化させた布に受け止め
麻の紐を細くさいたものや
ガマの穂など燃えやすいものに移す。

               息を吹きかけ炎を大きくする

                燃え上がりました。
                    
         それぞれにやってみましたが、なかなか火はつきません。
            マッチやライターの有難みを感じました。
               昔は大変だったでしょうね。


              自動車用のジャッキを改良した 
            兀下さん手製の油絞り機でツバキ油しぼり
           搾りたての油は香ばしくて美味しかったですよ!

            椿油絞り終了後にこにこパークで作業

自生の渋柿の木に接木をしたところ、あっという間に大きくなり
昨年の秋にはたくさんの甘柿の実がなり枝が折れそうになりました。
強い風で落ちたり、鳥に食べられたり
残念ながら収穫は少しでした。
来年のために延びた枝を剪定しました。

              新しい芽を出し始めていました。
もうすぐ春ですね。