2018年3月11日日曜日

接ぎ木・エドヒガンの移植・皆伐跡地の草本に名札つけ                       ~里山文化・技術の伝承~

平成30年(2018年)3月11日(日) 

今日は皆伐跡地で、接ぎ木、移植、発芽した草本の名札つけをし、里山活動で必要な技術を学びました。講師は日頃それらの技術をつかって実践している会員がリーダーになり教えてもらいました。

① 先ず接ぎ木の方法等について話をききました。

成長を早めたり、丈夫な木を育てたり、品質の良い果実を得るために、

また貴重種の確保のために接ぎ木が行われます。

道具は剪定ばさみ、カッターナイフ、接ぎ木用テープ。

木と木を合わせ密着さすことで一つになるとは、すごいことだなと思いました。

乾燥しないように手早く作業をすることや、水分が蒸発するのを

防ぐためにビニール袋をかけておく重要性が理解できました。




テープが伸びて、伸びるとテープがくっつき密着しやすく、

新芽がテープを破って出てきて、乾燥を防止する

接ぎ木専用のすぐれもののテープが売られているようです。




ヤマガキに甘い柿がなるように接ぎ木をした。

2~3芽ついた甘い柿の枝を10センチ位に切る。

穂木の蒸発を防ぐためすぐに穂木にテープをまく。



接ぎ木をするヤマガキの木を根本近くで切る。


台木の樹皮と木質部の間をカット。その間に穂木を

差し込むのだが、とても難しそう。

穂木も斜めにスパッとカット。








台木と穂木の形成層を合わせて密着させるのだが、

接ぎ面をまっすぐスパッと切るのは難しい。




② 皆伐跡地にエドヒガンの移植

平成22年に一庫公園に咲いたエドヒガンの種を冷蔵庫に保管し

平成23年に種をまき、1m20㎝くらいに育った苗を掘り起し移植。


樹皮にカイガラムシがびっしりついていた。手袋でこすっておとす。

来月時間があれば木酢液で消毒しよう


40センチ四方の穴を掘り、堆肥を少し下に入れる。


苗を植える。


支柱をたてる。


水やり


来月小学1年生になるS子ちゃんの記念植樹になった。

大きくなりますように。




一庫公園では少ないハリギリを移植。同じように

トゲのあるタラノメの傍に植える。




③ 皆伐跡地に芽を出した草本につける名札に麻ひもを通す。


葉が落ちて芽が出る前の木は名前がわかりにくい。


名札つけ


ソヨゴ ヒサカキは切っても切ってもすぐ伸びる。


メリケンカルカヤを先月も抜いたが、まだたくさん残っている。


メリケンカルカヤの株。今は抜けやすい。あっという間に

一面に拡がるので、気が付いたら抜いていこう。


皆伐跡地はトゲのある草本が多い。タラノメ、カラスザンショウ、

クサイチゴ、ノイチゴ等々。5月の野草教室で使用した後は

棘のある草本は少なくしよう。


棘があるがきれいな色のキイチゴ。どんな実がなるだろう。


公園内ではめずらしいオオイヌノフグリ、ホトケノザ、ヨモギ、

ハコベをみ~つけた。


午後からはズリの廃棄場所で日当たりのよい谷筋にエドヒガンを移植。

山の整備をした時伐採木を積んでおいた堆肥を使う。


台場クヌギ林北側の谷筋にエドヒガンを3本移植。


子どもはなんでもおもちゃに。いろいろな枝を集めて何にするのかな?



急な斜面も大人の後を追って登っていくJ君S子ちゃん。


木登りもしました。

大人はそれぞれの仕事をしながら、子どもの様子も見ながら、

子どもは大人の活動を見ながら、手伝ったり、遊んだり。

そんな中で楽しみ、いろいろなことを学んでいくのでしょうね。

2018年3月9日金曜日

「ツバキ油づくりを学ぶ」                            ~油がなかったら? どんな暮らしだったのだろう!~


2018年(平成30年)2月11日(日)

恒例になったツバキ油づくり。今回はツバキ油の作り方だけでなく油のなかった時代から今にいたる油にまつわる話をたくさん聞きました。

油のない時代の夜は真っ暗。たき火が明りのかわりでした。お燈明の油が切れると真っ暗になるので大変。油を切らさないようにするのが大切な仕事だったようです。「油断大敵」という言葉もここからきているようです。


椿油づくりの方法、 油の歴史、お相撲さんのびんつけ油や

香りのことなど講師のHさんからたくさんのお話を聞きました。






マッチやライターの無い時代の火のつけ方を体験しました。

鋼と硬い石を強く打ちつけて火花をだします。

炭化させた木綿布の上に落ちた火花が布に移り火が拡がります。

少し息を吹きかけて火を付け木に移して、やっとマッチをすって

火がついたような状態になります。




みんなで火打石で火をつけてみました。






火花がででるようになるまで何度も何度もやってみました






左は和蝋。櫨や漆の実から作られ燃焼が穏やかで煤が少ない。

右は石油で作られたパラフイン 。燃焼が激しく煤が多い。                        

燃え方の違いがよくわかりますね。

灯心はイグサの髄からとったものです。


椿油づくり開始。

先ずツバキの種の硬い外側の殻をむきます


H氏お手製の殻むき器でむいています


むいた実の重さと殻の重さをはかります


きちんと計って記録します。

剥いた実と殻の重さの割合は1対1。

絞った油は実の重さの4分の1になります。

 剥いた実の二分の1(50%)の油が得られます







剥いた実をミキサーにかけます




ミキサーで砕いた実を蒸し器で蒸します。左は絞り機。お手製です。




蒸した実を絞り機で絞ります。


順番に絞ってみました。


絞ると黄色の油がトロリトロリ流れ出てきました。


油粕。

サポニンを含み、ナメクジやデンデンムシの防除効果あり。

水に溶けやすいので金魚や鯉を飼っている周りでは要注意。


絞った油を和紙で濾しているところ。

殻を手で剥き、良い実だけで油をしぼり、丁寧に濾すので

良質の椿油ができます。これもお手製です。




油絞りの後は焼き芋をしました。

おいしく焼けました

                                 

今日の昼食は味噌汁とエビの佃煮、デザートは八朔にお菓子



午後からは木の実を使っての工作


材料を選びながら、考えながらつくりました


クルミの実でペンダントをつくりました。


マツボックリでミニクリスマスツリー


これは何でしょうか。わかりますか。

子どもが考え出したコマです。

材料はツバキの実が入っていた一番外の皮です




とってもよくまわります。




どっちが長くまわるかな?競争しました。




よく回っているでしょう!




ツバキがコマになるとは思いませんでした。子どもは発明家ですね。

今日も楽しく里山の資源を活かして楽しみ学びました。